Wa-luck(ワラック)

2020.7.16
ワーク

一流の男になる条件 -vol.8-(揺るがない覚悟を持つ)

大望青年会一流の男になる条件


(天理教青年会より)

 

揺るがない覚悟を持つ

(作家・永松茂久)
 

「負けたっていい。逃げたっていい。あなたがあなたでいれば」
 
これ系のタイトルの本があったら、最近は大ウケする傾向にある。出版のプロデュースも仕事としてやっているので、その風潮を肌で感じる。
 
しかし、残念ながら、本当のいい男にこれ系のタイトルは通用しない。読むこともなければ買うこともない。
 
もちろんいい男だって負けることはある。
 
しかし、だからといって、逃げることは絶対にしない。
 
このようなタイトルの本が生み出す、現実逃避感を即座に見抜くことができ、その通りにすることで訪れる未来を容易に想像できるからこそ、そういう類の甘い誘いに手を出さないだけだ。
 
人間が人間である限り、必ず衝突は起きる。
 
学校のいじめ問題がニュースになるたびに、評論家や視聴者は「いじめっ子の親がひどい」「いじめを放置した学校が悪い」とまるで鬼の首をとったように評価を下すが、問題はそんな浅い次元の話ではないことをいい加減、認めたらどうだろうか。
 
もちろんその犯罪の程度にはよるが、たとえば芸能人が離婚したとか、分裂したとか、そんな個人のことで、一人を吊るし上げて公共の電波で糾弾すること自体も、行き過ぎると単なるいじめだ。
 
そもそも生徒の前で「いじめはしてはいけません」と言う教師だって、職員室に戻ればギクシャクした人間関係が待っているかもしれないし、無理難題を押しつけてくるモンスターペアレンツにいびられているかもしれない。
 
大人ができないことを子供に強要しても、それは無理だ。水が上から下に流れるように、子供は大人がやっていることをそのまま真似をする。
 
いまの世の中の子供を変えるなら、まずは大人が変わるべきだ。
 
「自分を変えるのは無理だけど、せめて子どもだけは……」
 
この理論はそれ自体に無理がある。
 
人は性善説だけでは語り切れない。世の中のいい男たちは、人は残酷な面を持っていることもしっかりと理解している。
 

 
理想をもつことはもちろん大切だが、人間の本質の片面を無視した理想論は、ただの絵に描いた餅である。
 
守るべき人や既得権益、環境から身についた価値観は、人によって異なるという前提をしっかりと理解しておかなければならない。
 
必要以上に衝突を恐れ、行動を起こせない男が増えている。
 
そんな男は残念ながら、相手が悪いとなめられるし、利用されることだって往々にしてある。
 
リアルな男の世界には、残念ながらそういった弱肉強食の文化は存在する。
 
だからいい男はやむを得ない場合は、最低限の衝突を覚悟する。
 
自分の生き方のフラッグをあげるとき、自分の信念をゆずれないとき、もしくは大事な人を守るときは、必ずといっていいほど抵抗勢力が現れる。
 
それに対して変に媚びたり、いちいち懐柔をしようとしたりすると、そこにつけこまれてしまうことだって可能性としては十分あることを、肌で知っているのだ。
 
そんな男たちの他人に対するスタンスは、「この指とまれ方式」だ。
 
賛同してくれる人たちとだけ一緒にやる。賛同してくれない人たちを無理強いしてまでも同船させることはしないし、必要以上に関知もしない。
 
その代わり、関係ない周りの人間が、自分たちの行く手を阻んだら、徹底的に戦う。
 
人間、結局は腹を決めたやつが一番強い。
 
 
やむをえず戦いになったときは、覚悟の深さが、勝負の行方を決める。

いい男を目指すなら、心の中に一本の刀を持つことだ。土壇場になるまで決して鞘を抜くことがない刀を。

 

(ながまつ しげひさ)

 
 
【ながまつしげひさ】
1974年、大分県生まれ。
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」をコンセプトにしたユニークな人材育成には定評があり、全国各地で数多くの講演、セミナーを実施。
「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演累積動員数は延べ30万人にのぼる。
2016年より拠点を東京に移し、経営、執筆、講演だけでなく、人材育成、出版プロデュース、イベント主催、映像編集、コンサルティングなどもてがける。
著書に『成功の条件』(きずな出版)、『一流になる男、その他大勢で終わる男』(きずな出版)など多数。