Wa-luck(ワラック)

2020.6.4
ワーク

一流の男になる条件 -vol.7-(ミラーボールのような男になれ)

大望青年会一流の男になる条件


(天理教青年会より)

 

ミラーボールのような男になれ

(作家・永松茂久)
 

30年連続、営業成績トップ。
 
こんなサラリーマンがいたらたしかにすごいと思うだろうが、それだけでは男としての凄みは正直なところ、あまり感じない。
 
こういう人を見ると、僕は「散々目立って、散々稼いだでしょ。そろそろ後進を育てたら?」と思ってしまうのだ。まあ僕がへそ曲がりだからなのかもしれないが。
 
圧倒的なトップをある一定期間経験した後は、マネジメント側にまわり、次世代の育成に力を注ぐ。
 
そしてその実践に裏打ちされたノウハウを学んで育った部下たちが、新しい時代のトップを張る。そうやって後進にその座を譲ることができる人のほうが、男のあり方として美しい気がする。
 
いまは空前の自己実現ブームだ。SNSの繁栄も大きく手伝って、自己表現したい人たちの数は飛躍的に増えている。
 
自分を発信したい。だったらそれを実現させる、つまりその人たちが活躍できるステージをつくるのも、賢い男のあり方のひとつではないか。
 
人はメリットのあるところに集まるのだから、メリットを与える場所をつくれば、人は育つし、つくった本人も自動的に繁栄することになる。まさに一石二鳥だ。
 
それに、いつまでもその座に居座って後追いの脅威に汲々とするのも疲れるし、精神的にも効率的ではないではないか。
 
盛者必衰のことわりのごとく、「衰えたな」と言われるくらいなら、その前にさっさと引いたほうがよほど経歴が伝説化される。
 
僕が主宰させてもらっているコミュニティーでは、毎年、特攻隊の最前線基地で有名な、鹿児島の知覧で合宿を行っている。
 
そこで僕が一番意識していることは、参加者同士をつなげること。
 
僕が一方的にしゃべってしまうと、彼らからすれば自己表現ができないし、そもそも座学であれば僕の本を読んでもらえばいいだけの話だ。
 
せっかく遠くまで足を運ぶという行動を起こしてくれたのだから、彼らには一生の財産になる体験をしてもらわないといけない。
 
だからやることは簡単。
 

 
合宿がはじまったらどんどんグループ分けをして、フラットに参加者が交流できる対談形式のワークを繰り返す。
 
すると、似たような志を持った参加者なので、自然発生的に大なり小なりのグループができる。そしてそこで生まれたそのグループの関係の多くは、合宿後も続く。
 
だが、僕がそこに顔を出すことはしない。そうすると、せっかくの彼らの輪を壊してしまう恐れがあるので、基本、僕はノータッチだ。
 
誤解のないように言っておくが、あくまでこれは僕がつくったやり方ではない。
 
僕の師匠をはじめとして、人生の先輩たちは、みなこうしたステージメーカータイプの人間だった。そのやり方を真似させてもらっているだけだ。
 
その人を慕って集まった次世代たちがそこで出会い、成長し、巣立って、成功する。そんなスターが大量にうまれたら、それこそすばらしいことじゃないか。
 
「世界一貧乏な大統領」の名称で有名な、ウルグアイのムヒカ元大統領がこんなことを言っていた。
 
「真のリーダーとは、自分をはるかに超える人材を育成できるひとのことである」
 
その通りだと思う。そして、この真のリーダーの部分は「いい男」と置き換えることができる。
 
ミラーボールは自分に集まった光を反射させて、周りを照らす。自分一人が光るだけじゃなく、周りを輝かせる。こんな生き方が一番粋でかっこいい。
 

いい男はしっかりと実績を残したあとは、一人でも多くの人が、思いを実現できる場所を生み出すことに自分の力を使う。

 

(ながまつ しげひさ)

 
 
【ながまつしげひさ】
1974年、大分県生まれ。
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」をコンセプトにしたユニークな人材育成には定評があり、全国各地で数多くの講演、セミナーを実施。
「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演累積動員数は延べ30万人にのぼる。
2016年より拠点を東京に移し、経営、執筆、講演だけでなく、人材育成、出版プロデュース、イベント主催、映像編集、コンサルティングなどもてがける。
著書に『成功の条件』(きずな出版)、『一流になる男、その他大勢で終わる男』(きずな出版)など多数。