Wa-luck(ワラック)

2020.3.19
ワーク

一流の男になる条件 -vol.5-(思いやりを形に表す)

大望青年会一流の男になる条件


(天理教青年会より)

 

思いやりを形に表す

(作家・永松茂久)
 

「あの人には本当に感謝してるよ。恥ずかしいから面と向かっては言えないし、何もできてないけど」
 
よく聞くセリフだが、よくよく聞くと本当に何もしていない人が多い。
 
言葉にするのが恥ずかしいのであれば、せめて誕生日に花くらい贈ればいい。お礼のひとつでも言えばいい。何らかのアクションを起こすことはやっぱり大切だ。
 
また、先輩にお酒をおごってもらったのに、お礼メールのひとつも送れない男も情けない。「俺、あの先輩に可愛がられているんだ」と自慢する暇があったら、なぜ感謝の気持ちを伝えられないのか。
 
気持ちを口に出したり、行動で示すのも愛だ。いい男は、そこに手を抜かない。
 
似たような話として、電車で高齢者に席を譲らない人たちのこんな言い訳もある。
 
「譲ってもいいけど、相手も年寄り扱いされたくないかもしれないからなあ」
 
これは詭弁だ。本当はその行為に踏み出すことが怖いのだ。
 
「よかったらどうぞ」と声をかけて、それでも相手が断るなら、そのときはありがたく座っていればいいじゃないか。
 
こういう言葉は、本人はもっともらしい理屈だと思っているのだろうが、聞いているほうはどこか胸がイガイガする。
 
人を思う気持ちを持っている人は、電車が駅に着くたびに車両のドアに目をやって、高齢者が入ってきた瞬間に立ち上がって席へ誘導できる。そこに小難しい自己弁護や理屈などない。
 
そもそも感謝の気持ちを伝えたり、高齢者を敬ったり、弱い人を守ったりすることに「躊躇する」必要などない。
 
それがスムーズにできないということは、どこか心に無駄な贅肉が付いている証拠だ。いい男の行動はもっと軽やかだ。
 
自分の気持ちを「言葉」なり「行動」なりで示せば、そのときの相手の状況なりに何らかのリアクションはある。
 
そのときに、結果がマイナスに出たとしたら、それはそれで引けばいいだけだ。
 

 
あなたの人生の主人公は、もちろんあなた自身だ。
 
しかし、人と人とがお互いに関わりあってはじめて成り立つこの社会で生きている以上、多かれ少なかれ、他人のことを考えないというわけにはいかない。「自分だけがよければいい」という理屈は、この地球上に二人の人間が生まれた時点から一度たりとも肯定されたことはないのだ。
 
そういう意味では、いい男は相手のためだと思ったら、自分が悪役になることを恐れずに厳しいことがズバズバ言える。
 
後輩の至らないところが目に余ったら、心の中で「こいつは使えないな」とクールに済ますのではなく、憎まれ役になることを承知で「おせっかいかもしれないけど、ちょっとおまえにとって耳が痛い話をするな」とアドバイスできる。
 
親友が怪しい商売に足を踏み入れようとしていたら、その一言で袂をわかつことになる覚悟をもって、「やめとけ」と止めることができる。
 
社長が裸の王様状態で暴走しだしたら、降格やクビになることも辞さずに、「社長、いい加減目を覚ましてください!」と涙ながらに訴えることができる。
 
これができるのがいい男だ。
 
端的なおせっかいになる必要はない。
 
しかし、少なくとも困っている人や、間違った方向に進もうとしている人がいたら、無意識に体が動くくらいの人間にはなりたいものだ。
 
自分を守ることばかり考えて生きるのは、男らしさをどんどん手放すことにならないだろうか。
 
いい男はあれこれ考えずに、さっさと相手を助けるための行動を起こす。
そこにいちいちもっともらしい理屈などは必要としない。
 

一流の男は、自分を顧みることなく、真っ先に人をたすけるための行動を起こす。

 

(ながまつ しげひさ)

 
 
【ながまつしげひさ】
1974年、大分県生まれ。
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」をコンセプトにしたユニークな人材育成には定評があり、全国各地で数多くの講演、セミナーを実施。
「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演累積動員数は延べ30万人にのぼる。
2016年より拠点を東京に移し、経営、執筆、講演だけでなく、人材育成、出版プロデュース、イベント主催、映像編集、コンサルティングなどもてがける。
著書に『成功の条件』(きずな出版)、『一流になる男、その他大勢で終わる男』(きずな出版)など多数。