Wa-luck(ワラック)

2020.2.6
ワーク

一流の男になる条件 -vol.4-(人をティーアップする)

大望青年会一流の男になる条件


(天理教青年会より)

 

人をティーアップする

(作家・永松茂久)
 

最近行った居酒屋のトイレに、こんな言葉が貼られていた。
 
「武勇伝、自分で語るは残念賞」
 
僕も居酒屋を経営しているのでよくわかるが、カウンターに面した厨房内は、お客様の話す内容がよく聞こえる。当然聞いているスタッフもいる。無駄に人に安く見られないよう、男として気をつけたいものだ。
 
もちろん武勇伝なり自慢できることがまったくない男は情けない。しかし、自分でそれを語るとジェットコースターのように、一気にその価値が落ちる。あくまでそれは人が語るからかっこいいのだ。
 
いい男はその真逆の道をいく。
 
自分のことは必要以上に語らず、その代わりに人に華を持たせる。しかもそれを自然とできる。
 
そのことをいつも感じるのが、人の講演やスピーチなどのときだ。
 
マイクを握ったら最後、終始、自慢話を続ける著名人がときどきいる。ファンからすればうれしいかもしれないが、ファンでない人からすれば「人のステージで、自分の自慢話をしにきたの?」と思われるのがオチだ。
 
いい男はこういうとき、自分のダメだった話はどんどんするが、自慢話は最低限に抑える。その代わり、自分を育ててくれた人やお世話になった人の話を積極的にする。
 
そうすることでささやかな恩返しになるし、聞いている人にとっても、どんな教えを参考にこの人が変わっていったのか、という話のほうが、断然応用が利くからだ。
 
そもそも自分の失敗を通して人に気づきと笑いを与えることができる男に、大きな器と愛を人は感じる。
 
先日、講演講師を育てる専門家の方が、セミナーでこう言っていた。
 
「いいですか。今後、あなたが人前に立つような立場になったとき、誰のおかげでその場があるのか絶対に忘れないでください。一言でもいい。必ず感謝を伝えてください」
 
その通りだと思った。天狗にならずに、常に謙虚さと感謝の気持ちを持つ。
 
これこそ、いい男の王道だ。
 
講演やスピーチに限った話ではない。
 

たとえば会社でいい仕事をして、社長賞をもらったとしよう。
 
いい男はそのとき「今回うまくいったのは僕が悩んでいたときに的確にアドバイスをくれた課長のおかげです」とか、「至らない僕を支えてくれたチームメンバーのおかげです」と言える。
 
ダメな男は「ぶっちゃけ今回は取れると思っていました。来年も取りますので見ててください」と、典型的な調子の乗り方をしてしまう。
 
これがまだ20代だったら「かわいいやつだな」で済む。しかし、中年のおじさんでこれをしたらだいぶ痛い。手柄の独り占めは、人が離れていく。
 
どんなことでもいい。人に華を持たせる話をしてみてほしい。
 
人をティーアップすると、聞いている人は、必ずあなたのファンになる。やがてその人たちが、あなたのティーアップを自然としてくれるようになる。
 
与えたものは返ってくる。それがこの世のルールだ。
 

いい男はどんな立場に立っても、人に華を持たせることを忘れない。

 

(ながまつ しげひさ)

 
 
【ながまつしげひさ】
1974年、大分県生まれ。
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」をコンセプトにしたユニークな人材育成には定評があり、全国各地で数多くの講演、セミナーを実施。
「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演累積動員数は延べ30万人にのぼる。
2016年より拠点を東京に移し、経営、執筆、講演だけでなく、人材育成、出版プロデュース、イベント主催、映像編集、コンサルティングなどもてがける。
著書に『成功の条件』(きずな出版)、『一流になる男、その他大勢で終わる男』(きずな出版)など多数。