Wa-luck(ワラック)

2020.3.28
子育て

男の子は異星人 -vol.5-「電車、車、虫好き 男の子は全員がオタク!」

さんさい少年会男の子は異星人

第五回 電車、車、虫が好き
      男の子は全員がオタク!

少し前に幼稚園にお仕事で行ったときのことです。天気のいい園庭で、四歳ぐらいの男の子が、一生懸命バケツを抱えてうろちょろとしておりました。あっちに行きこっちに行き、花壇に首を突っ込み、植木鉢をひっくり返し、畑の間にしゃがみ込んでいました。
しばらくして幼稚園の先生にバケツを見せに行きました。バケツを見た途端先生が「あぁ?」と声にならない声を上げていました。その後に僕にも見せに来てくれたのですが、バケツの中には百匹を優に超えるダンゴムシがうごめいていました。僕は虫が好きなので「すごいねぇー!」と感心していると、その男の子は「えっへっへー」ととてもうれしそうでした。幼稚園の先生はもしかしたら虫が苦手だったかもしれませんね。それでも「いやー」とか「きゃーやめてー」とは言わず、「あぁ〜」と答えただけで偉いなぁーと思いました。
男の子は、一つのものにこだわります。自分の好きなもの、関心のあるものに徹底的にいきます。これもタイプがいくつかあります。まずは電車チーム。そして車チーム。そして虫チームです。ただこれも絶対ではなく「電車、車混合チーム」もありますし、「電車、車、虫全部チーム」もあります。もうこうなると何でもありな感じになります。

とにかく自分の好きなものに対する、思い入れというかこだわりが尋常ではなくなります。寝ても覚めてもとにかく、それがないと始まりません。これ不思議なんですが、女の子はここまでこだわりがないように思います。女の子は興味の方向性が、比較的浅くて広いイメージです。うまくいろいろなものに関わりを持つ感じがします。しかし男の子は、興味の方向性がとても狭い分、深い関わりをするようです。つまり「オタク的」になっていきます。
電車好きになると、いろいろなものが電車でないと納得しません。帽子に服、靴にかばんにコップにタオル。もちろんパンツもです。そして移動も電車にならないと動きません。つらいのは、ママもパパも電車になることを強要されることです。「ガッタン、ゴットン! 出発進行〜」と言わないと、動かないややこしい電車ですから。また外で電車を見つけようものなら、ずーっと見続けています。帰れません。ある意味電車地獄ですね。ママたちにとっては、これはつらいです。だってそんなに電車に関心や興味がないから。
なぜ男の子たちが、車、電車、虫が大好きなのか? やはりあの独特のフォルムや動きの面白さに目を奪われるようです。僕もやはりこれらはかっこいいと思います。ママに好きになってくださいとは言いませんが、嫌いにはならないでくださいね。子供が何かに夢中になれること、何かを大好きになること、これも一つの才能です。その中で集中力や知的好奇心が伸びるんです。子供の豊かな成長のために、ここはぐっと我慢のしどころです。

小﨑恭弘 プロフィール
こざきやすひろ/1968年、兵庫県生まれ。大阪教育大学教育学部准教授。NPO法人ファザーリング・ジャパン顧問。12年間、兵庫県西宮市公立保育所初の男性保育士として子供たちと向き合う。NHKEテレ『すくすく子育て』他、テレビや新聞、雑誌等でも活躍中。