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2019.8.5
信仰エッセイ 教理

ウッジョブ(枝と根 -vol.2-)〜ずつない事はふし、ふしから芽を吹く〜

大望青年会枝と根

(天理教幅下大教会長・伊藤 芳正)
 
 

ウッジョブ

 平昌冬季オリンピックは、開催前の色々な心配を吹き飛ばし、日本勢過去最多となるメダル獲得数に興奮し、また、素晴らしい成果の陰に劇的なドラマを味わい、感動多き大会となった。
 
 スキージャンプの高梨選手は、前回ソチ大会では、飛び抜けた実力を誇るも無冠に終わり、今回は4年越しのリベンジに臨んだ大会となったが、見事にプレッシャーをはねのけ、表彰台に上がった。
 
「そだねー」で、日本選手団の華となったカーリング女子チームは、チーム立ち上げの資金繰りの苦労から始まり、戦力外通告を受け、挫折を乗り越えたメンバーもいる中でのメダル獲得、日本カーリング界の新たな扉を押し開けた。
 
 フィギュアの宮原選手も股関節疲労骨折からの復活、多くのメダルを獲得したスピードスケートの小平選手の三大会目12年越しで?んだ金を初め、高木姉妹も代表すら外されたところから世界の頂点に立った。そうした困難、逆境というふしから芽を出した感動の中心に、羽生選手がいた。大会直前の足首靱帯損傷の大怪我から臨んだ今大会で、二大会連続の金メダルに世界中が歓喜した。
 
 
 羽生選手が金メダルを獲得した幅下の夕づとめ後の夕席で、娘の佳乃がこんな話をした。
 
「私は、今月(2月)の16、17、18で後継者講習会を受講させていただく予定でしたが、不思議な神様のお計らいにより、受講日が一カ月先に延びることになり、今日ライブで羽生選手の金メダルのスケートを見ることができました。表彰式後、『オリンピックに向けてどのような心持ちで向かってきたんですか?』という質問に、次のように話していました。
 
『ソチで金メダル取ってから、全部ほしい、結果も何もかも手に入れたいと思うけど、やっぱり何か捨てないと、取れないものがあるんだと感じたんです。それは自己満足かもしれないけど、僕は苦しいときと幸せなときのアップダウンがすごかったので、これだけ苦しいなら幸せ全部なげちゃえと思ったんです。このオリンピックの連覇のためだけに幸せを全部捨てようと思ったんです。それは、例えば普段のこととか、考え方とか。色んな欲しいものや、逃げ出したくなる気持ちとか、そういう身近にあるものを捨て去ってきた。だからこそ、今のこの幸せを?むことができたんだと思うんです』
 
 頂点に上りつめ、究極を追いかけていく人は自然と、『ずつない事はふし、ふしから芽を吹く。やれふしやく 、楽しみやと、大き心を持ってくれ』(M27・3・5)という神様の思いを悟っていけると感じました。
 
 羽生選手のようにプライドを持って何かを極めていく姿って、本当にかっこいいなぁと感じ、私も信念を持った、かっこいいよふぼくになりたいと思いました。
 
 そこで、お道の信仰者にとって金メダルに値するものは、と考えました。それはやはり、自分がたすかってもらいたいと思う人がたすかってゆく姿だと思います。だから、いざというときに神様に働いて頂くために、私もしっかり自分の欲や都合を捨てて、神様におもたれして、日々にしっかり伏せ込ませて頂くこと。そして、何か困難があるたびに、簡単に夢や目標を諦めていては本当の感動に巡り会えない。とことん極めて、ふしの先に用意されている大きな楽しみと出会える生き方をしたいと思いました。
 
 おぢばでお育て頂いて教会へ帰らせてもらうとき、今後、お道の活動に参加するときは必ず誰かをお連れします、と教祖に心定めをしました。帰会後、各会の行事や大教会の別席団参等、何とか心定めを守ってきました。しかし、今回の2月16日からの後継者講習会は、お誘いしていた人たちが全員都合がつかず、諦めて一人で受講しようとしていたのです。ところが、前日になって受講申し込みができていないことがわかり、先延ばしとなったのです。これはもう、親神様のお計らいでしかありません。『簡単に諦めたら駄目』との教祖のお声が聞こえてきて、もう一度チャンスを頂けたんだと嬉しく感じていました。そして、このタイミングでオリンピックという極められた世界から、羽生選手の言葉が届いたのです。
 
 ここぞというときに、一番の幸せを手に入れられるよふぼくでいられるよう、まずは来月の後継者講習会に一人の受講者を御守護頂けるように頑張ります」
 
 
 一カ月後、佳乃は中学時代の友人と共に勇んで後継者講習会に参加でき、教祖からよふぼくとしての金メダルを頂いた。
 
 

……心の精神の理によって働かそう。精神一つの理によって、一人万人に向かう。神は心に乗りて働く。心さえしっかりすれば、神が自由自在に心に乗りて働く程に。
(M31・10・2)

 

(いとう よしまさ)
 
 
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