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2021.9.29
信仰エッセイ

vol.35 「なれあい型」集団を立て直す

天理時報人と関わる知恵

金山 元春天理大学教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


前回から、教育心理学者の河村茂雄博士による研究成果に基づいて、集団を理解するための理論について紹介しています。前回は、教師の強い指導によって集団のルールは維持されるものの、教師と子供、子供同士のリレーション(情緒的なふれあい)が不足している「管理型」の集団について取り上げました。

今回は、教師と子供との垣根が低く、管理される息苦しさはないものの、ルールの確立が疎かな「なれあい型」についてお伝えします。
「なれあい型」の集団には、「ゆるみ」が感じられます。一見すると自由で和気あいあいとしていますが、私語が多いなど、勉強に集中していない様子が見られます。また、イベントなどの楽しみは共有するものの、互いに高め合い、切磋琢磨する方向へはなかなか向かっていきません。そのため学力が定着しないのです。

また、人間関係が不安定で小さなトラブルが生じやすく、その結果、小集団がたくさんできるようになります。常に同じように行動していますが、本当に仲が良くて一緒にいるというよりも、周りの攻撃から自分を守るために固まっているというのが実情です。

こうした小集団の中で起こるいじめは、外からは見えにくいのが特徴です。それは、外からは仲のいい集団に見えているからです。また、自分たちが仲間であることを確認し合うために、共通の敵をつくる傾向があります。それがいじめを生む温床となります。

「なれあい型」では「学力が高い」「運動が得意」など、地位が高いと見なされている子供でも「いい気になっている」などと、いじめの標的になることがあります。

大人の集団にも「なれあい型」は存在するでしょう。そうした集団を立て直すのに必要なのは、リーダーの「毅然とした態度」です。それは相手を威圧し、服従させることではありません。リーダーとして指導すべきことや集団として守るべきことについては、ブレずに伝え続ける態度を示すことです。そして、メンバーがルールを守り、集団活動に協力してくれたときには、忘れずに感謝を伝えます。

「親しき中にも礼儀あり」を心がけつつ、ルールとリレーションのバランスが取れた集団を目指しましょう。

天理時報2021年7月18日号掲載