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2021.8.23
信仰エッセイ

vol.33 家族円満の秘訣

vol.33 家族円満の秘訣

金山 元春天理大学教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


今回でこのエッセーは5年目に入ります。

これまで、さまざまな〝人と関わる知恵〟についてお伝えしてきましたが、自らが実践できていないことも多く、反省しています。
とりわけ家族に対しては、「きっとこうしてくれるだろう」と勝手に期待したり、「みなまで言わなくても分かってほしい」と甘えが出たりして、相手を思いやる気持ちを怠りがちです。時には「どうして分かってくれないの!」とイライラしたり、「何を考えているのか分からない」と悩んだりすることもあります。

このようにイライラしたり、悩んだりするのは、「家族なのだから分かるはず」という前提に立っているからでしょう。まずは、その前提を変える必要があります。
家族であっても、一緒にいるだけで何もかも分かり合えるわけではありません。
「おふでさき」に「をやこでもふう/\のなかもきよたいも みなめへ/\に心ちがうで」(五号8)とあります。このことが心に治まり、「家族であっても、それぞれの心で思っていることは違うのだから、互いになかなか分かり合えないのは当然だ」という前提に立つと、むしろ心に余裕が生まれて、相手の気持ちを分かったつもりになって決めつけたり、こちらの気持ちを分かってほしいと求めたりする前に、相手のことを思いやり、その声に耳を傾けることができるようになります。

また、家族だからといって常に一緒にいればよいというわけでもありません。一緒にいる時間が長ければ長いほど、それだけ関わる機会も多くなります。そんな中で、「もっとこうしてほしい!」と相手に求める気持ちが膨らんできて、かえって傷つけ合うようなやりとりが増えてしまうことがあります。大切に思う相手であるからこそ、時には適度に距離を取ることも必要です。

家族には、それぞれの役割があります。互いの持ち場・立場を尊重し、相手の領分に関しては信頼して任せるという姿勢が求められます。それを自覚して自らの務めを果たすことが、家族としての〝一手一つ〟の姿であり、家族円満の秘訣といえるのではないでしょうか。

天理時報2021年4月4日号掲載