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2019.9.1
信仰エッセイ 子育て

ワイワイたすけ合い 「1.地と天 一夫一婦は古いですか?」(With you)

With you婦人会ワイワイたすけ合い

ワイワイたすけ合い 「1.地と天 一夫一婦は古いですか?」

天理教婦人会発行の『ウィズ・ユゥ』に連載した、草場直子さんのエッセイ「体のはなし」。
 
ページを繰ると、「いちれつ兄弟たすけ合おう。一人で悩まないで。ホラ、こっちをむいて」そんな声が行間から聞こえてきます。
 
たくさんの方にぜひお読み頂きたいこのエッセイを、これから少しずつご紹介していきます。
 

草場 直子
天理教節生分教会長
兵庫県立大学修士課程修了
助産師

 
 

1.地と天 一夫一婦は古いですか?

 テレビなどを見ていて、「最近の恋愛事情ってすごいなあ」と思うのは、年を取ったせいでしょうか?「二股や三股を、掛けた、掛けられた、それも知人と。お付き合いした人の数は数十人」とか言われると、見ている方も、心配や好奇心やうらやましさで、ハラハラドキドキしませんか? 振り返ってみて、私も十代の頃、自由恋愛にけっこう賛成でした。けれど、看護職と、天理教信者として約二十年生きてきて、分かったことが少しあります。それはこの世のしくみ、からだのしくみの中に、本当の生き方のための指標が込められているということです。
 
 そこでお節介かもしれませんが、「体のはなし」からみた自由恋愛の危ない点を述べますので、生き方のヒントにして下されば幸いです。

 
 

自由恋愛の危ない点

 

その(1) 妊娠の話

 女性のからだは排卵期に妊娠しやすくなります。性欲も性感度も高まるので普段そんなに好きでない人からでも言い寄られるとフラフラッとします。フェロモンも出るので、その時期特に綺麗だったりします。また眠くて無防備になったりします。一方、男性は精巣が一杯になると性欲が高まります。普段そんなに好きでもない人でも素敵に見えるし、女性に言い寄りたくなり、活動的になります。これは、まるでそれぞれの遺伝子が子孫を産めよ増やせよと熱望しているかのようです。もしかすると、親神様は、私達人間がすぐに死んでしまわないように食欲を与え、死に絶えないように性欲を与えたのかもしれませんね。でも好きなものを好きなだけ食べると、太りすぎたりからだをこわすように、性欲のままに好きにするのは悲劇を生みます。性交渉には、妊娠の可能性があります。ぜひ、本当に好きな人と、子どもが生まれても責任を持てる状況で、お付き合いしましょう。からだのしくみを知るためにも、女性は少なくとも生理日のチェックをして、排卵日を知りましょう。排卵日は生理と生理の中間にあって、惑わされもし、妊娠しやすくもあるのです。避妊の知識も身につけて、成り行きで、産むことのできない命を妊娠することのないようにしましょう。

 
 

その(2) 全身への感染の話

 HIV(エイズのウイルス)とかB型・C型肝炎、ATL(成人T型白血病ウイルス)は、感染血液の輸血や性交渉で感染します。現在の日本では、HIVも肝炎もATLも、感染してもすぐ命取りになるわけではありません。子供も産めます。しかし感染後、自分もパートナーも、一生発病や症状悪化に気をつけて生きていかなくてはいけません。そして子どもに感染させないよう万全の態勢をとらなければなりません。
 
感染してから、大変な思いをすることのないようにしましょう。もしも困ったことが起こったら、自分達だけで悩んでいないで(誰かに相談して)必ず医師の診察を受けましょう。このことは、その(1)(2)(3)(4)(5)すべてに言えます。

 
 

その(3) 子宮頸部がんの話

 子宮をとっくりを逆さにした形と見立てると、その首の部分を子宮頸部、とっくりの本体の部分を子宮体部といいます。
 
子宮頸部にできるがんを子宮頸部がんといいますが、そのがんの発生原因にヒトパピローマウイルスというウイルスの感染が一因と考えられています。最近は性体験の若年化に伴い、子宮頸部がん発症の若年齢化が言われています。

 
【注】
<エイズ>
後天性免疫不全症候群。HIVの感染によりT細胞が破壊され、免疫機能が低下する病気。発症すると死亡率が高い。性行為による感染と輸血などの血液を介する感染とがある。
 
<B型肝炎>
B型肝炎ウイルスによる肝炎。全身倦怠・黄疸などを来すが、発熱は少ない。大半は一過性の急性肝炎だが、慢性化すると肝硬変・肝癌を発生。性交渉のほか輸血・針刺事故・出産時産道による感染がある。
 
<C型肝炎>
C型肝炎ウイルスの血液を介する感染により発症する。持続感染に移行しやすく、しばしば慢性肝炎・肝硬変、さらに肝癌へ進む。

 
 

その(4) 抗精子抗体の話

 精子というのは、他の人の細胞ですから、受ける側にとっては一種の異物です。不妊女性の3~5%には、血液の中や子宮頸管粘液の中に抗精子抗体や精子不動化抗体を持っていて、精子の子宮頸管内などの通過をブロックしてしまうことがあります。それが分かれば、妊娠するための手だてがないわけではないのですが、抗体価測定や人工授精などの治療が必要です。望まないお付き合いで、抗精子抗体ができたとしたら残念ですよね。

 
 

その(5) 性感染症の話

 不特定多数の方とお付き合いのある人は、男女とも統計的に、いわゆる性感染症である可能性も高くなってしまいます。性感染症というのは梅毒、淋病、クラミジア、尖圭(せんけい)コンジローマなどです。若年層に流行ってきていますが、治療には産婦人科で診察を受け、薬を飲んだりしなくてはならず、ストレスも少なからずあります。

 
 

その(6) 自尊心の話

 人は誰でも、大なり小なり心の中で、「自分は(けっこう)いい人だ。人に愛され、生きるに値する人間だ」と思わなくては、生きていきにくい存在です。恋愛や性的経験は、その自尊心を肯定もし、否定もします。そこが恋愛のすばらしさでもありますが、恋愛や性的体験がもとで、自分に対して「悪い、汚い、生きる価値がない」などという感情が生じ、自傷や自殺に追い込まれてしまうこともあります。自分で自分の心はだませません。できるだけ自分で自分に誇れる恋愛をしましょう。そしてもしも、恋愛や性的接触にまつわる心身の被害者になるようなことがあったとしたら、静かに「誰が、何が本当に悪いのか」を考え、自分に非がないのなら正々堂々と生きていく、非があるのならその部分だけ悔い改める強さを持ちましょう。だから自由恋愛は、いい加減ではなく、真剣勝負が肝心だと思います。

 
 人に強制されるのではなく、自由に人を好きになり、好きな人と夫婦になれるのなら、そんなにありがたいことはないと思います。昔より自由に恋愛できる世の中になってきたことはよいことでしょう。しかし、自由だから何でもしてもよいというわけではないようです。心身のしくみ、世の中のしくみはそれを示唆しています。一見何でもできそうですけど、よく考えて、あえてしないことを選ぶのが慎みであり調和でしょう。天理教の『みかぐらうた』に、

 ぢいとてんとをかたどりて
  ふうふをこしらへきたるでな
 
 ふうふそろうてひのきしん
  これがだいゝちものだねや

 
とあります。親神様は、一夫一婦で、2人が仲良く日々の生かされている喜びをかたちに表していくところに、幸せの種が授かることをお望みなのです。

「1.地と天 一夫一婦は古いですか?」
――おわり――
『ウィズ・ユゥ』より